トピックス
緊急事態宣言解除後における、ランニング愛好者の皆様へのお願い
2020年5月27日
緊急事態宣言は解除され、不要不急の外出を自粛する要請も徐々に緩和される見通しですが、引き続き警戒が必要とされています。そこで、この時期における屋外でのランニングについて、実施の可否を含めて実施時の注意事項をまとめました。
1. 屋外でのランニングは可能か
体調面から:セルフチェックの活用
人の体調は一日一日変化します。発熱や咳のある場合はもちろん、体調に問題のある方は外出を避けた方が良いでしょう。
通常の外出ができる体調でも、ランニングを行うと危険なこともあります。ランニングを行う際には、「ジョギング・ランニングを行う際のセルフチェック」①を参考に、ランニングができるか否か判断してください。
① ジョギング・ランニングを行う際のセルフチェック(https://e-running.net/0360self_check.html)
2. 屋外でのランニング時の注意
2-1. 練習量・強度の観点から
外出自粛でランニングを中断していた方がランニングを再開するには、十分な注意が必要です。ランニング障害や体調不良、その他の理由などでランニングから遠ざかっていた方がランニングを再開する場合や、運動を実施していなかった方や他のスポーツ愛好者がランニングに取り組み始める場合にも同様の注意が必要です。
1)軽い運動を短時間行うことから始めましょう。
脚筋や体幹の筋の機能、心臓や肺など呼吸循環系の機能は、トレーニングを実施しない間に低下しています。トレーニングの原則は、体力レベルに合わせて行うことですので、中断前と同じ強度で行うと相対的に強過ぎることになり、効果が得られません。無理に走り続けようとせず、歩いたり走ったりを繰り返す方法(間欠ジョギング)もお奨めです。
2)日数を掛けて、徐々に徐々に元に戻すようにしましょう。
一度のトレーニングで体力(走力)は回復しません。徐々に中断前のレベルに戻るのを待ちましょう。
3)ケアを十分に行い、栄養、休養にも気をつけましょう。
中断後は、身体より気持ちが先行することが一般的で、つい疲労が大きくなりがちです。十分なケア、栄養、休養に気をつけましょう。
2-2. 感染症予防の観点から
ランニングを行うことが感染症に繋がらないよう、以下の点に気をつけましょう。
1)走る前に手を洗いましょう。
汗を拭うなど顔に触れた際に、手に付いているウイルスから感染するリスクを減らします。
2)密集・密接をつくらないよう、なるべく一人で走りましょう。
今は、同居している家族等と走る場合を除き、グループで集まって走ることは控えましょう。
3)ランニング中も感染拡大防止の対策を取りましょう。
周囲の人やランナーと距離を保ちましょう。
競技場や多くのランナーが集まる人気のコースや時間帯を避けましょう。
人とすれ違う時、追い抜く際には、近づき過ぎないよう気を配りましょう。
ランニング中にツバを吐いたり、手鼻をかんだりするのは止めましょう。
4)ランニングを終えて帰宅したら手洗い、うがいを行いましょう。また、十分に睡眠をとりましょう。
感染予防の基本は、こまめな手洗いとうがいです。
また、疲労した状態では、一時的に免疫のはたらきが下がることがあります。十分に睡眠をとり、疲労を残さないようにしましょう。
2-3. マスク着用の考え方
マスクを着用するのは、咳やくしゃみ、呼気による飛沫拡散の可能性を低くして、ランナー自身が他者への感染源とならないための防止策のひとつですが、マスクよりもまずは空いたコースや人の少ない時間帯に走るなど、他者との距離を十分に確保する工夫をしましょう。周囲に人が居なければ、マスクをしなくてもよいでしょう。
一方で、外出自粛要請が出て以来、ほとんどの人が感染拡大防止を意識して外出時にはマスクを着用していますので、マスクを着用しない人やランナーに対して不快感・不安感を抱く可能性があります。そうした方々の気持ちにも配慮して、対人距離が確保できない場合にはマスクやフェースガードの着用を検討してください。
2-4. 熱中症予防の観点から
外出自粛などでトレーニングが十分でない状態や暑くなり初めの時期は、熱中症のリスクが高まりますので、いつも以上の注意が必要です。熱中症の予防には、日本スポーツ協会HP「熱中症を防ごう」②や本HP「マラソンレース中の適切な水分補給について」③をご参照ください。
③ マラソンレース中の適切な水分補給について(https://e-running.net/0350topics_no06.html)
3. 最後に
今も世界中で新型コロナウイルス感染症のために多くの人の命が脅かされています。皆さんが気持ちよく生活するために、走らない人への心配りも忘れないようにしましょう。私たちの未来に健康で人間らしい生活が戻るよう、皆様とともにランニング学会も努力を続けて参ります。
なお、このお願いは2020年5月25日における見解です。今後の状況ならびに新たな知見に合わせて随時更新します。